2025年5月第3週(19~23日)のドル円相場は、大きく崩れる展開となりました。
長期で続いていた上昇トレンドが、ついに転換の兆しを見せた1週間だったと感じています。
とくに週後半には、142円台を割り込みながらも踏ん張るような動きが見られ、トレーダーの心理も「そろそろ底か?」「まだ下がるのか?」と揺れ動いていた印象です。
この記事では、今週の動きのまとめと月足から1時間足までのマルチタイムフレーム分析をもとに、今の相場環境と来週の注目ポイントを整理しておきたいと思います。
ドル円先週(5月19日〜23日)の相場の振り返り
- 始値:145.10円付近
- 終値:142.60円付近
- 週間値幅:約250pipsの下落幅
週明けは方向感のない動きから始まりましたが、火曜以降は戻り売りが優勢に。 金曜日にかけて下落の勢いが強まり、142.60円を明確に下抜けて、年初来安値圏で週を終えています。
陰線が連続し、下落トレンドが強まった形です。

次は、来週のシナリオを月足~1時間足をみていきます。
月足・週足
月足と週足では上昇トレンドの分岐点になっています。
【月足】


現在の月足と週足のチャートでは、三尊天井のような形が見えつつあり、140.85〜139.10円のゾーンがネックラインとして意識されています。
ここを下抜けてしまえば、長く続いた上昇トレンドが完全に終了してしまう可能性が高く、今はその境界線に差しかかっている状況です。
【週足】


週足では陰線の包み足が出現しており、次のローソク足の位置次第では、135円台まで一気に視野が広がる可能性もあります。
日足


日足は、下落ダウ継続中です。
下降チャネルのミドルラインを抜けて現在3本のMAが下向きでパーフェクトオーダーもできています。
- 高値・安値ともに切り下げ
- EMAリボン(短期〜中期)がしっかり下向き
- ローソク足が常にその下で推移
このように、戻りが入ってもすぐに売られてしまう“売り主導”の形が継続しています。
終値は142円台半ばまで落ちており、来週はさらに140円台前半のサポートを試す可能性もありそうです。
4時間足


4時間足では、下降チャネルの中段を割り込み、今は下段ゾーンに位置。
145円台がしっかりとレジスタンスとして機能し、そこからの戻り売りが成功している流れです。
現在は142.30円〜143.00円あたりのサポートゾーン内にありますが、ここを抜けてくると次の注目は140.85。
ここが本格的な分岐ラインになると見ています。
1時間足


1時間足の直近では、戻りの弱さが目立っていますね。
- EMAに頭を抑えられる形が続く
- 上昇しても反落が早く、戻り売りがすぐに入る
- 売りの勢いが勝っている印象
現在では142.30〜142.60円付近のサポートで一旦止まっていますが、ここを割ってしまうと再び下方向に走る可能性もあるため注意が必要です。
来週(5/27週)のシナリオ
シナリオ①:下降トレンド継続(メインシナリオ)
143円付近まで一旦戻す動きがあっても、再び売りが入り、142円〜140.85のサポートゾーンを試す展開。
特に140.85の攻防は、今後数週間の流れを左右する重要な分岐点です。
シナリオ②:ショートカバーによる反発
下げが行き過ぎて142.00〜142.30付近で反発し、下ヒゲ+陽線が出れば、一時的に144円台までの戻りも考えられます。
ただしあくまで戻り売り優勢の流れを崩すほどの力はまだ見えていません。
シナリオ③:ネックライン崩壊 → 大きな下落波動へ
140.85円を明確に実体で割ってくれば、チャネルも三尊天井も崩れ、135円台までの大きな下落も想定されます。
この場合は慎重な戦略の切り替えが必要です。
来週のトレード戦略ポイント
戦略のポイントを分かりやすくまとめると以下のようになります。
戻り売り戦略(トレンドフォロー型)
- 売り場候補:143.70〜144.20円
- エントリータイミング:陰線確定後 or 142.80割れ
- 損切り:144.80円超え
- 利確目安:141.00 → 140.85 → 139.50
押し目買い戦略(反発狙い)
- 買い場候補:142.00〜141.80円
- エントリー条件:ヒゲ付き陽線&出来高増加
- 損切り:141.20割れ
- 利確目安:144.20 → 145.00
まとめ|重要サポート目前、慎重な見極めを
今週のドル円は、下落の勢いを維持したまま週末を迎えました。
140.85〜139.10円のゾーンは、月足・週足ベースで見ても非常に重要なレベルであり、ここを守れるかどうかで中長期の流れが大きく変わってきます。
買い方・売り方、どちらにとっても「次の動きへの分岐点」になる週になるかもしれません。



しっかりと反応を見極めて、無理に仕掛けず優位性の高い場面だけを狙っていきましょう。