FXでは、為替レートが動くことで利益が出たり、損失が発生したりします。
でも、初心者のうちは、
「1円動いたら、いくら利益になるの?」
「買ったときと売ったときで、計算は違うの?」
「少額の資金でも大きな損失になるの?」
と疑問に思いますよね。
この記事では、FXの利益と損失が決まる仕組みを、具体的な数字と図解でやさしく解説します。
今回の学習目標
- FXの損益が決まる仕組みを理解する
- 買いと売りの損益を計算できるようになる
- 取引数量による損益の違いを知る
- 資金に対する損失の大きさを考えられるようになる
※この記事では、主に米ドル/円(USD/JPY)を例に説明します。
FXの利益と損失はどうやって決まる?
FXの利益と損失は、**「為替レートの値動き」と「取引数量」**によって決まります。
同じ値動きでも、どの方向に取引したか、どれくらいの数量を取引したかによって、損益は変わります。
まずは、為替レートと損益の関係、基本的な計算方法、取引数量による違いを順番に見ていきましょう。
為替レートの値動きで利益と損失が決まる

FXでは、為替レートが予想した方向に動くと利益になり、反対方向に動くと損失になります。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で買った場合、151円に上がれば利益、149円に下がれば損失です。
一方、売りから取引を始めた場合は、レートが下がると利益、上がると損失になります。
つまり、買いと売りでは、利益が出る値動きの方向が逆になるのです。
FXの損益を計算する基本公式

FXの損益は、為替レートがどれだけ動いたかと、取引した通貨の数量から計算できます。
米ドル/円の買い取引では、次の計算式を使います。
損益(円)=(決済レート − 新規取引レート)× 取引数量
例えば、1ドル150円で1,000通貨を買い、151円で売った場合、
(151円 − 150円)× 1,000通貨
= 1,000円の利益
となります。
反対に149円で売れば、1,000円の損失です。
売り取引の場合は、レートの引き算を逆にして計算します。
※ここでは、スプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益を説明しています。
取引数量が変わると利益と損失も変わる

FXでは、同じ値動きでも、取引数量によって利益や損失の金額が変わります。
例えば、米ドル/円が1円動いた場合の損益を比較してみましょう。
| 取引数量 | 1円動いた場合の損益 |
|---|---|
| 100通貨 | ±100円 |
| 1,000通貨 | ±1,000円 |
| 10,000通貨 | ±10,000円 |
取引数量が10倍になれば、同じ値動きでも損益は10倍になります。
大きな利益を狙える一方で、損失も大きくなることを忘れてはいけません。
FXでは、利益の大きさだけでなく、損失がどのくらいになるかを考えて取引数量を決めることが大切です。
買い(ロング)の損益計算
FXの「買い(ロング)」は、為替レートが上がると利益になり、下がると損失になる取引です。
では、実際にどのくらいの利益や損失が発生するのでしょうか?
ここでは、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨買った場合を例に、具体的な計算方法を図解でわかりやすく解説します。
買い(ロング)で利益が出る仕組み

FXでは、買ったときよりも為替レートが上がると利益が発生します。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨買ったとします。
その後、為替レートが151円に上がったところで売って決済すると、次のように計算できます。
(151円 − 150円)× 1,000通貨 = 1,000円の利益
つまり、1ドルあたり1円上昇したことで、1,000円の利益が生まれたことになります。
このように、買い(ロング)では、買ったときよりも高いレートで売って決済することが利益につながります。
※計算例はスプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益です。
買い(ロング)で損失が出る仕組み

FXでは、買ったときよりも為替レートが下がると損失が発生します。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨買ったとします。
その後、為替レートが149円に下がったところで売って決済すると、次のように計算できます。
(149円 − 150円)× 1,000通貨 = −1,000円
つまり、1ドルあたり1円下落したことで、1,000円の損失が発生します。
このように、買い(ロング)では、買ったときよりも低いレートで売って決済すると損失が確定します。
なお、決済する前でも、為替レートが下がれば評価損(含み損)が発生します。
※計算例はスプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益です。
買い(ロング)の損益を計算してみよう

買い(ロング)の損益は、為替レートがどれだけ上がったか、または下がったかによって変わります。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨買った場合、決済するレートによって損益は次のようになります。
| 決済レート | 値動き | 損益 |
|---|---|---|
| 150.50円 | +0.50円 | +500円 |
| 151.00円 | +1.00円 | +1,000円 |
| 152.00円 | +2.00円 | +2,000円 |
| 149.50円 | −0.50円 | −500円 |
| 149.00円 | −1.00円 | −1,000円 |
| 148.00円 | −2.00円 | −2,000円 |
このように、同じ1,000通貨の取引でも、決済するレートによって利益や損失の金額は変わります。
買い(ロング)では、決済レートが高いほど利益が増え、低いほど損失が大きくなります。
※損益はスプレッドやスワップポイントなどを含まない単純計算です。
売り(ショート)の損益計算
FXでは、為替レートが下がると利益になる「売り(ショート)」から取引を始めることもできます。
売り(ショート)は、高いレートで売り、安いレートで買い戻すことで利益を得る取引です。
では、実際にどのくらいの利益や損失が発生するのでしょうか?
ここでは、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨売った場合を例に、具体的な計算方法を図解で解説します。
売り(ショート)で利益が出る仕組み
FXでは、売ったときよりも為替レートが下がると利益が発生します。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨売ったとします。
その後、為替レートが149円に下がったところで買い戻して決済すると、次のように計算できます。
(150円 − 149円)× 1,000通貨 = 1,000円の利益
つまり、1ドルあたり1円下落したことで、1,000円の利益が生まれたことになります。

このように、売り(ショート)では、売ったときよりも安いレートで買い戻して決済することが利益につながります。
なお、FXの売り取引は、米ドルをあらかじめ保有していなくても始められます。
※計算例はスプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益です。
売り(ショート)で損失が出る仕組み
FXでは、売ったときよりも為替レートが上がると損失が発生します。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨売ったとします。
その後、為替レートが151円に上がったところで買い戻して決済すると、次のように計算できます。
(150円 − 151円)× 1,000通貨 = −1,000円
つまり、1ドルあたり1円上昇したことで、1,000円の損失が発生します。

このように、売り(ショート)では、売ったときよりも高いレートで買い戻して決済すると損失が確定します。
なお、決済する前でも、為替レートが上がれば評価損(含み損)が発生します。
※計算例はスプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益です。
売り(ショート)の損益を計算してみよう
売り(ショート)の損益は、為替レートがどれだけ下がったか、または上がったかによって変わります。
例えば、米ドル/円を1ドル150円で1,000通貨売った場合、買い戻して決済するレートによって損益は次のようになります。
| 決済レート | 値動き | 損益 |
|---|---|---|
| 149.50円 | −0.50円 | +500円 |
| 149.00円 | −1.00円 | +1,000円 |
| 148.00円 | −2.00円 | +2,000円 |
| 150.50円 | +0.50円 | −500円 |
| 151.00円 | +1.00円 | −1,000円 |
| 152.00円 | +2.00円 | −2,000円 |

このように、同じ1,000通貨の取引でも、決済するレートによって利益や損失の金額が変わります。
売り(ショート)では、決済レートが低いほど利益が増え、高いほど損失が大きくなります。
※損益はスプレッドやスワップポイントなどを含まない単純計算です。
FXの値動きを表す「pips」と損益の関係
FXでは、為替レートの値動きを表すときに「pips(ピップス)」という単位がよく使われます。
例えば、「20pipsの利益が出た」「30pipsの損失になった」といった表現です。
では、10pipsや50pipsの値動きは、実際に何円の利益や損失になるのでしょうか?
ここでは、米ドル/円を例に、pipsと損益の関係を図解で確認していきましょう。
pipsとは?FXの値動きを表す単位
FXでは、為替レートがどれくらい動いたかを表すときに、**「pips(ピップス)」**という単位を使います。
米ドル/円の場合、基本的に**1pips=0.01円(1銭)**です。
例えば、米ドル/円が150.00円から150.10円に上がった場合、値動きは10pipsになります。
| 為替レートの変化 | 値動き |
|---|---|
| 150.00円 → 150.01円 | +1pips |
| 150.00円 → 150.10円 | +10pips |
| 150.00円 → 150.50円 | +50pips |
| 150.00円 → 151.00円 | +100pips |

つまり、米ドル/円では100pips動くと、為替レートが1円動いたことになります。
pipsは値動きの幅を表す単位であり、利益や損失の金額そのものではありません。
実際の損益は、pipsの値幅に取引数量を組み合わせて計算します。
※pipsの数え方は通貨ペアによって異なります。詳しくはLESSON 06で解説します。
10pips・50pips・100pipsの損益比較
FXでは、同じpipsの値動きでも、取引数量によって利益や損失の金額が変わります。
例えば、米ドル/円を1,000通貨取引した場合、10pips・50pips・100pipsの値動きによる損益は次のようになります。
| 値動き | 円換算 | 損益 |
|---|---|---|
| 10pips | 0.10円 | ±100円 |
| 50pips | 0.50円 | ±500円 |
| 100pips | 1.00円 | ±1,000円 |

米ドル/円では、1pips=0.01円です。
そのため、1,000通貨を取引すると、1pipsの値動きで10円の損益が発生します。
例えば、買い(ロング)で10pips上昇すれば100円の利益、10pips下落すれば100円の損失です。
つまり、pipsは値動きの幅を表し、実際の損益は取引数量によって決まるということです。
※損益はスプレッドやスワップポイントなどを含まない単純計算です。
pipsを使って損益を計算してみよう
pipsの意味がわかったら、実際に利益や損失を計算してみましょう。
米ドル/円の場合、損益は次の計算式で求められます。
損益(円)= pips数 × 0.01円 × 取引数量
※利益になる値動きはプラス、損失になる値動きはマイナスとして計算します。
例えば、1,000通貨の買い取引で30pips上昇した場合は、
30 × 0.01円 × 1,000通貨
= 300円の利益
となります。
では、次の3つの問題を解いてみましょう。
問題①
米ドル/円を1,000通貨買い、20pips上昇したところで決済しました。
利益はいくらでしょうか?
問題②
米ドル/円を2,000通貨買い、30pips下落したところで決済しました。
損失はいくらでしょうか?
問題③
米ドル/円を5,000通貨売り、40pips下落したところで決済しました。
利益はいくらでしょうか?

答えと解説
| 問題 | 計算式 | 答え |
|---|---|---|
| ① | 20 × 0.01 × 1,000 | 200円の利益 |
| ② | 30 × 0.01 × 2,000 | 600円の損失 |
| ③ | 40 × 0.01 × 5,000 | 2,000円の利益 |
このように、pipsと取引数量がわかれば、為替レートの差から損益を計算できます。
ただし、実際の取引ではスプレッドやスワップポイントなども損益に影響します。
※計算例はスプレッドやスワップポイントなどを含まない為替差損益です。
FXの損益を考えるときは、為替レートの値動きだけでなく、取引に伴うコストや金利差調整分にも注意が必要です。
例えば、為替レートが予想どおりに動いても、計算した金額がそのまま利益になるとは限りません。
実際の損益には、「スプレッド」と「スワップポイント」が関係するためです。
それぞれどのような仕組みなのか、図解で確認していきましょう。
スプレッドとは?買値と売値の差
FXでは、同じ通貨ペアでも「買うときの価格」と「売るときの価格」が異なります。
この**買値(Ask)と売値(Bid)の差を「スプレッド」**といいます。
スプレッドは、FX取引にかかる実質的なコストのひとつです。
例えば、米ドル/円の為替レートが次のように表示されていたとします。
| 価格の種類 | 為替レート |
|---|---|
| 売値(Bid) | 150.000円 |
| 買値(Ask) | 150.002円 |
| スプレッド | 0.002円(0.2銭) |
この場合、150.002円で買った直後に150.000円で売ると、1ドルあたり0.002円の損失になります。
1,000通貨を取引していれば、
0.002円 × 1,000通貨 = 2円の損失
となります。

つまり、為替レートが動いていなくても、新規注文の直後はスプレッド分の含み損からスタートするのが基本です。
これは買い(ロング)だけでなく、売り(ショート)でも同じです。
スプレッドが狭いほど取引コストは小さくなりますが、その幅はFX会社や通貨ペア、取引する時間帯などによって異なります。
特に、重要な経済指標の発表前後や市場の流動性が低い時間帯には、スプレッドが広がることもあります。
FXで利益を考えるときは、値動きだけでなくスプレッドも確認することが大切です。
※上記はスプレッドが一定で、為替レートが変動しない場合の計算例です。別途手数料が発生する取引条件もあります。
スワップポイントとは?受け取りと支払いの仕組み
FXのスワップポイントとは、2つの通貨の金利差などをもとに計算される調整額のことです。
FXでは、ポジションを翌営業日以降に持ち越すことで、スワップポイントを受け取ったり、反対に支払ったりする場合があります。
例えば、米ドル/円を取引する場合、米ドルと日本円の金利差などがスワップポイントに影響します。
ただし、買いポジションなら必ず受け取れる、売りポジションなら必ず支払う、というわけではありません。
金利の状況やFX会社の取引条件によって、受け取りと支払いの方向や金額は変わります。

また、スワップポイントは為替レートの値動きによる損益とは別に発生します。
そのため、為替差益が出ていてもスワップポイントの支払いによって利益が減ることがあります。反対に、スワップポイントを受け取ることで損益が改善する場合もあります。
スワップポイントは利益になることも、コストになることもあると覚えておきましょう。
※スワップポイントの金額や付与日、受け払いの条件はFX会社によって異なります。
取引コストを含めた損益を計算してみよう
FXでは、為替レートの値動きによる利益だけでなく、スプレッドやスワップポイントも実際の損益に影響します。
例えば、米ドル/円を1,000通貨買い、為替レートが0.50円上昇した場合を考えてみましょう。
【取引条件】
- 取引数量:1,000通貨
- 為替レートの上昇幅:0.50円
- スプレッド:0.2銭(0.002円)
- スワップポイント:なし
まず、スプレッドを考慮しない為替差益は、
0.50円 × 1,000通貨 = 500円
です。
スプレッドが0.2銭の場合、1,000通貨では2円に相当します。
500円 − 2円 = 498円
したがって、この条件での損益は498円の利益となります。

さらに、ポジションを持ち越してスワップポイントが発生した場合は、その受け取り額を加算し、支払い額を差し引きます。
例えば、スワップポイントが10円の受け取りなら508円、10円の支払いなら488円です。
実際の損益を考えるときは、為替差損益だけでなく、スプレッドやスワップポイントも確認することが大切です。
※上記は、スプレッドを除いた基準レートが0.50円上昇し、スプレッドが一定だったと仮定した計算例です。実際には買値・売値の変化、スプレッドの変動、スワップポイント、その他の手数料などによって損益が異なります。
まとめ|FXの利益と損失の仕組みを理解しよう
FXの利益と損失は、為替レートの値動きと取引数量によって決まります。
買い(ロング)と売り(ショート)では、利益が出る値動きの方向が反対になることも重要なポイントです。
今回のLESSONで学んだ内容を振り返りましょう。
| 学習ポイント | 覚えておきたいこと |
|---|---|
| 買い(ロング) | レートが上がると利益、下がると損失 |
| 売り(ショート) | レートが下がると利益、上がると損失 |
| 取引数量 | 数量が大きいほど損益も大きくなる |
| pips | 為替レートの値動きを表す単位 |
| スプレッド | 買値と売値の差による取引コスト |
| スワップポイント | 受け取り・支払いの両方がある |
FXでは、利益がいくらになるかだけでなく、予想と反対に動いた場合の損失も計算できることが大切です。
取引する前に、値動きと取引数量から損益を計算する習慣をつけていきましょう。





