相場を見ていて、「下抜けた!」と思ってエントリーした瞬間、そこから価格が反転して上昇し、あっという間に置いていかれた……そんな経験はありませんか?
それどころか、自分の入ったポイントがまるで狙われたかのように”損切り”されて、気づけばそのローソク足は長い下ヒゲに変わり、勢いよく上昇トレンドに乗っていく。
まさに、「騙しにやられた」「振り落とされた」と感じる典型的な動きです。
今回は、そのような下ヒゲに潜む“振り落とし”の正体と、どう立ち向かうかをリアルチャートをもとに解説していきます。
振り落としとは?それは“逆方向”の罠
振り落としとは、大きな上昇トレンドの中で一時的に起きる強めの下落(またはその逆)を指します。
この動きは次のような特徴を持ちます:
- 急な陰線や下ヒゲで「下抜けた」と思わせる動き
- 直後に強い反発(陽線)が入って再び上昇
- 20EMAや25EMAなど、短期MAでの反発が見られる
- 重要ラインや前回安値を”実体”で抜けていない
要するに
「売らされた・損切りさせられた人たちのエネルギーを使って、反発するパターン」
です。
なぜ初心者はここで負けるのか?
多くの初心者がここでつかまってしまう理由は、”見た目の勢い”に反応してしまうからです。
たとえば
- ローソク足が一瞬下抜けたから「ブレイクした!」と思ってショートエントリー
- MAを実体で割り込んだから「もう無理」とロングを損切り
でも、これはよく見ると“実体での抜け”ではなく、“下ヒゲでの抜けに見せかけた反発”なのです。
これは、初心者の逆張り注文とロング勢の損切り注文が一気に巻き込まれて、結果として強く反発する「大口の思うつぼ」パターン。
この動きにどう対処する?エントリー前の判断基準
下のチャート、5月1日(木)のドル円のチャートです。

緑のゾーン下限でしっかりサポートされていています。この下ヒゲ長い陽線を作っているとき、実は20~25MA帯は横ばいになりそうな感じだったんです。そこで、下にぐっと10pips以上下げてきて急落した動きをみせました。
私も思わず乗り遅れまいとショートをしようとおもったのですが、下の2本のMAが上向きなのと今日はロング目線でいたのでこれは乗れる!と思い直しロングしました。
しかし、私がまだFXを良くわかっていなかったときは、こういうパターンで何度も負けていました。
私のように、とび乗ってしまう人は多いのではないでしょうか?
飛び乗らないための対処法は以下の3つです。
1. 実体抜けを確認せずに飛び乗らない
ローソク足がラインやMAをヒゲで抜けた程度では、まだ”確定”ではありません。最低でも確定足での実体抜けを確認してから判断しましょう。
2. MAとラインの重なりに注目する
今回のチャートでは、20EMA・25EMA・サポートラインが重なっており、そこに長めの下ヒゲが出たあとに陽線が確定しました。このような形は、”押し目買い”のサインとして有効です。
3. 形で判断する
- ダブルボトム
- 包み足(つつみ線)
- インサイドバーのブレイク
など、反転のチャートパターンを小さな時間足で確認しましょう。
まとめ
振り落としに振り回されないためには、
- 下ヒゲは”罠”かもしれないので、ヒゲだけで判断しない。
- MAとサポートラインが重なる場所は要チェックポイント。
- 実体で抜けたか?反発したか?を冷静に見極める。
- 焦って飛び乗るよりも、”反発の根拠”を確認する方が大事。
など、確認してからのエントリーを心がけていきたいものです。
実はこの「振り落とし→急反発」の動きは、
- 指標発表直後
- ロンドン初動やNY序盤
- 大口の仕掛けが入るとき
などによく出てきます。
何度も繰り返される”罠の形”として、しっかり覚えておくと次のトレードで役立つはずです。